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  • Posted on
    2009.10.06
  • posted by kenshin.

縮退派の出現





「現在の事態は人類そのものの危機でありもはや成長を追い求めることは、反経済的であり、反社会的であり、反エコロジーである」

緑の党の議員 イヴ・コシェ 2008年10月14日のフランス国会答弁より


現在、「縮退」という概念が今、フランスの国会で真剣に答弁されるようになっている。縮退とは何かと問われると「decroissance」という新語でつまり「限りある地球で、さらに"発展"を欲することは論理的でない」 という主張である。
 景気後退によってこういった考え方が市民権を得るようになって来ているのも確かで、エコロジストもその景気後退や環境問題にのっかり躍進めざましく、ピノー・プランタン・ルドゥトなどの高級ブランド企業から大半の資金を得たリックベッソンが撮り下ろした映画、『HOME〜空から見た地球〜』もその背景に一役買ってるとも言われている.
スローフードやスローシティの国際運動に関心を寄せる人々の数が年々増えたり、先日、選出された鳩山首相の国連での演説、温室効果ガス削減問題のスピーチなど国際社会でのポジティブな反応を得た事実などが縮退という20年前までは考えもつかなかった選択肢も道が開け縮退を唱える者には追い風のなかにあるようにも思える。


「客観的に明白な根拠によって推進される経済成長など、もはやあり得ない。縮退は、私たちにとって避けることができない運命だ」と緑の党の議員 イヴ・コシェは警告する。


「我々の生活様式について、違う角度から検討を加えることが必要だ。例えば、常にこんなふうにせわしなくしなければいけないのかと、自問してみることも大切である」と語るアナリスト達も少なくはない。

ただし、縮退派のほとんどは縮退による具体的な未来像を描き説明してみせることはできていないし、縮退を考えだすと必然的に富裕層に打撃を与えることになる事にもなり世界のパワーバランスは一時的にでも混乱に陥る可能性もある、しかしながら人類の新しい選択肢としてのヒントとなり得る気もしないでもない。


人類が経済と環境の二重の危機に地球が揺れているなかで、新しい生き方を本気で探し求めようとしている姿は伝わってくる。もうすぐ21世紀にはいり10年が過ぎようとしている我々は21世紀に地球規模でふさわしい生物としての人類の生き方を見つけられるのだろうか?
縮退という考え方が出てくる事自体が人類がどう21世紀を生きていこうかと真剣に考え始めた事なのかもしれない。




reference   Le Monde diplomatique


text by KESO

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