ドバイ
この言葉を聞いてあなたは何を想像しますか?
おそらく個人差はあるが多くの人が最高級リゾート地等が浮かぶのではないでしょうか?
まさしく石油資源で瞬くもの間で東南アジア圏きっての高級リゾート施設を有する国家として、世界中で認知されています。
石油で大富豪となったアラブ人達が"自分の車のナンバープレートを1にする"と言った些細な事にさえ喜んで1,400万ドルもだしてしまうような単なるバブルな現象にとどまらないぐらい様々な事柄がこの国には存在します。
数十億円もするような不道徳なほど退廃的で広大な宮殿が建ち並んでいるかと思えばホテルでは西洋人向けに24金フェイシャルマッサージを行っている。
はたまた水深25メートルの海の中にある豪勢なレストランではチャールズ皇太子の元お抱えシェフによる料理が味わえる等、まさに欲と消費の王国。
只、その裏側には世界中のスーパーセレブや言葉は悪いが成金観光客とドバイを作り上げる労働者達とを比較してみると、差は天と地ぐらい歴然。
49度という熱の中でくたくたになる迄長時間働かされても月収はわずか100ドル程度,そんな話は当たり前でそこにはアラブ首長国連邦の労働法ではとりわけ"自由貿易特区"において雇用主の利益を最大限に保護し労働者にはいかなる権利を侵害しても構わないと規定されている、雇用主による出稼ぎ労働者の利己的利用は政府によって容認されている。
倫理や道徳等関係なく人道的侵害とも取れるまさに現代社会に残された奴隷制度の痕跡だと言える。
そして、たいていの場合、雇用主は仕事を与える変わりに労働者のパスポートを没収する。
更には非公式ではあるものの、去年はインドやパキスタンから違法にドバイに労働者として入国したものが労働災害で1000人近く死亡したとの見解もあるらしい。
これもまた世界経済の破綻はこの年を支える環境産業にも多大なる影響を与えた。
かつてはオイルマネーで流れ込んでくる一方だったドル資金も底をつき始めてとうとうリストラも始まっている。
現時点で着工工事の建設プロジェクトのうち、6920億円分の工事は行われれる見込みだそうだが5820億円相当分に関しては先行き不透明な経済状況の影響でストップしている。
ほんの数年前迄はあれほど熱気に包まれていたドバイの未来建築にもしだれも利用したり住まなかったらいったいどうなってしまうのだろうか?
このまま行くとしまいには錆び付き、やがて崩れ落ちる迄放置されるのだろうか?
2008年にwall street journal紙が『ドバイの抱える負積は対GDP比42パーセントに達する』と発表。
ドバイの隣国であるアビダビの負債は対GDP比2.9パーセント,,この差は何を意味するのか、なぜここ迄になったのか?誰しもが思うだろう、、、、そして誰かが止める事が出来なかったのかと、、、
人間の愚かな"狂気じみた強欲"と"先を見通す能力の完璧な欠如"とあるライターは記している。
現代におけるこの愚かな出来事は現実に今も進行している事を、世界中の人々は知るべきであろう。
21世紀、人はこれから何をなし得ながら生きて行くのか、今尚、絶え間なく世界のどこかで起こっている紛争や人種差別等も含め目を向けて行かななければならないのだろうと、このドバイの今を知る事で痛感する。
果たして我々の未来の行く末は争いや強欲に支配される事もない世界があるのだろうか?
人が人である為に。。。
今後も尚建設予定されているドバイ建築
これが出来る事で何が起こっているのか想像して行く末を見てほしい、、、
世界はこの現実をどう受け止めるのだろうか?
reference
VICE MAGAZINE
text by HM