Interview

>> Interview : Home

  • Posted on
    2009.03.06
  • posted by kenshin.

ROBERT GELLER  ロバート ゲラー

2009年度のCFDA(アメリカファッション協議会)「 Best New Menswear Designers in America」 という権威ある賞に選ばれ、今、もっとも注目される若手MEN'SデザイナーにおどりでたROBERT GELLERの受賞後の独占 ロングインタビューに成功し、彼のクリエイティブについて聞いてみました。 今、最も注目を浴びるファッションデザイナーの深淵になにがおこっているのでしょうか




KESO  :  まず、はじめにCFDAベストアメリカンメンズデザイナーの受賞おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

RG :    受賞が何を意味するのかはっきり分ってないのが現状ですが、とっても嬉しいし、光栄なことだと思ってます。とにかく自分のチームをたいへん誇りに思っています。

KESO  :  受賞後、あなた自身やあなたの周り等 変化はありましたか?

RG  :   今はもっとたくさんの人が自分のブランドを知ってくれたと感じます。 今まで全く面識にない人たちも祝ってくれます。少し不思議に思いますが、光栄なことには変わりないですね。

KESO  :  今回のコレクション2009年のA/Wについて話してください

RG  :  今回、私は確固たるエレガントな感覚というものをこの今回のコレクションに加えたかったのです。自分にとってエレガンスのシンボルである世紀の変わり目のウィーンを見つめ直しました。今回のショウはすべての過程においてこの要素と、さらに古き時代を参考にもした出発点と言えるのでしょう。

KESO  :  すこしパーソナルな質問をさせてください。これはクリエイティブに関わる事なのですが、なぜあなたはfashionデザイナーという道を選択したのですか?

RG  :  私にとってFashionはクリエイティブとビジネスのすばらしい融合です。 自分は常にクリエイティブな分野で働いていくだろうと思っていましたが、決して芸術家になりたいとは思いませんでした。 そういう意味ではFashionデザイナーという立場は自分にとって刺激的で挑戦しがいがあります。




KESO  :  私はロバート•ゲラーの洋服を見ていて確固たる美意識のフィロソフィーを感じます。それは哲学であり、あなたの持つ意識の高さや、洋服作りに打ち込む際の「こころ」なのだと思うのです。あなたが洋服作りを行う際に一番大切にしている事とは何なのでしょうか?

RG  :  そうですね いつも生活のひとつひとつのシーン(断片)を洋服に反映したいと願っています。私は高品質なものに手間かけることにとって洋服に人格を与えたいのです。それは我々が自分の子供を世に出すという感覚に似てると思います。我々は自分の子供がすばらしい個性を持って世の中にでる準備ができていて欲しいと思いますよね。そういった物なのです。

KESO  : なるほど、その考えのバックグラウンドにあるあなたのファッションに置けるフィロソフィーとは何なのでしょうか?

RG  :  結局のところ私は洋服を作る その私の洋服は人を素敵に見せ、気持ちも良くさせるもののはず。ただそれだけです。

KESO  :  あなたがドイツ人という事でクリエイティブに何か影響してるという事はありますか?

RG  : 公には私のコレクションはNYに相応したとてもヨーロッパ的な感覚だと言われています。これは私が人生の大半をヨーロッパで過ごし、そこは自分の美学が培われた場所だからです。しかしながら同時に自分のコレクションに欠かせない粘り強さといった感覚はNYで身についたモノなのでしょう。

KESO  : そのヨーロッパ的感覚である、あなたのコレクションはどういうプロセスを経て作られていくのでしょうか?

RG  : 私達はまずコレクションの方向性を決めてから、普通はパリのPremire Visionでの生地のショウを見に行きます。そして戻ってからコレクションのスケッチをして最初のサンプルを送ります。だいたい約一ヵ月後に最初のサンプルができあがり、そこから調整をしていきます。最終的な形としてのサンプルが完成して、私達はセールスを始め、ショウを行い、コレクションのイメージブックの撮影をします。 それをずーと繰り返していくわけです(笑)




KESO  :  僕はクリエイティブな人々や表現者が何かをつくっていくプロセスの中でインスピレーションやアイデア等を得ていく源やそのプロセス等に興味があります
例えばこのインタビューの第一回目でのSTUDIO NEW WORKのRYOTATSU TANAKAをフューチャーしましたが、彼の行うプロセスと僕の行うそれとはかなりかけ離れていました。しかしお互い到達する地点は違うプロセスを経ているにもかかわらず高い位置に到達しいえる結果があり。100人いれば100通りのあり方が有ると感じます。最近常々思うのですが、もちろん結果を求められるのがプロフェッショナルですがその結果を導くプロセスの方が思った結果に至らないとしても重要であり一番大切にしなければいけない部分ではないか?と思う訳です。 
ロビー(ROBERTGELLER)の場合、洋服を作っていく中でアイデアはどのようにして産まれてくるのでしょうか?

RG  : 自分にとってはアイデアなどの源は感情・感覚、実際にはもっと欲求に近いものでしょう。次のシーズンで何を望むか、それはたいへん個人的なことですし、大概とても漠然としたビジョンから始まり、自分のなかで余計な凝り過ぎた事細かいものを削ぎ落とし削ぎ落としリアルなものを発見しなくてはいけません。この感覚とともに洋服、同じくしてコレクションを通して自分にとって何がそこに存在するものなのか発見していけるのです。

KESO : これは個人的考えですが、いま私たちはターニングポイントにたっている気がします それは20世紀のスタイルからの決別と言う事柄からです しかしながらまだ人々は21世紀のスタイルとは何なのかという事は明確には見つけていない気がします。そのことについてどうおもいますか?

RG : こういった事は自然の流れです。そう言ったスタイルの区分けは振り返ってみて回想によってのみ分かることです。80'Sの例をとると、いきなり1980年の一月一日に誰かが、皆でネオンを着て肩パッドを入れようと決めたわけではないですよね。ああいったムーブメントはゆっくりと進行したのです。さらに80年代だからっといって、皆がそのスタイルをしたはずもありません。私達は何処かへと進んでいます、でもその進行中にどこへ向かっているかを知るのは難しいことなのではないでしょうか?

KESO : 最後にこれからの計画や将来の目標を聞かせてください

RG : 私達は世界を獲りに行きます。Karl と Hedi を自分のアシスタントとして雇い入れる予定です(笑)

KESO : ありがとうございました。ネクストシーズンのコレクションと決定しているリーバイスとのコラボレーション楽しみにしています。



ROBERT GELLER ( ロバート•ゲラー )http://www.robertgeller-ny.com

1976年 ドイツ フランクフルト生まれ。
RISD (Rhode Island School of Design)へ入学、卒業後はNYにてMarc Jacobsのもとでキャリアをスタート
アレクサンドル•ポロコフと「Cloak」を立上げ、5シーズンを展開
その後2007年秋冬、自分の名前を冠としたメンズブランド「ROBERT GELLER」を立ち上げる。

2003年、「Cloak」でエコ・ドマーニ・ファッション財団賞を受賞。
2004年、「Cloak」で「CFDA / Vogueファッションアワード」の次点を受賞。
2009年 「ROBERT GELLER」で「 GQ+CFDA Best New Menswear Designers in America」を受賞
その活躍はニューヨークにとどまらず、世界中で注目されています。

interview by keso

top