FASHION 界の大御所、イタリア人 デザイナー バレンティノ•ガラバーニを追ったドキュメンタリーフィルム、『Valentino:The Last Emperor』
FASHIONにフォーカスを置き作成されたドキュメンタリーフィルムとういものはなかなか多くは無く、特にこのようなFASHION界を牽引してきた大物に焦点を当てたものとなるのはそうないであろう、監督を務めたのはアメリカン バニティーフェアー誌で活躍してきたマット•ティルナウアーで彼の長編映画処女作となる。
08年のS/Sオートクチュールコレクションを最後に引退したVALENTINOを最後のショーを迎える迄の彼の軌跡を追いながら彼の作品や関わる様々な人々や人間関係に焦点を当て45年間という長い長い時間をFASHION界の先端で20世紀のひと時代を君臨してきたレジェンドなデザイナーのキャリアの終わり方に向き合う姿を追う。
監督のティルナウアーは今回の撮影にかなりの苦労を強いられたようで被写体に対し真の姿を引きずり出す為に費やされた時間、努力は一筋縄では行かなかった様子だ、その努力のかいもありすばらしい出来上がりとなっており日本での公開が待ちどおしい限りである、Valentino: the last emperorという題にふさわしく20世紀を代表する生きた伝説の一人となっている。
ヴァレンティノ•ガラヴァー二は1933年、北イタリアのヴォゲラで生まれ、パリで オートクチュールを学んだ後1960年に自信のブランドを立ち上げ、初のコレクションはローマで発表、撮影で当地を訪れていたエリザベス・テイラーの目に止まったことで、彼のサクセス・ストーリーが始まった。
ヴァレンティノのフィロソフィーは、女性の体つきや官能美を強調した服をデザインすること。「少年のような格好をした女性と出歩きたい男など、この世にいるはずがない」と語り。60年代を代表するデザイナーのひとりとなったヴァレンティノは、ミニスカート全盛のトレンドに逆らって、床まで届くロングスカートにこだわりテーマ・カラーの「ヴァレンティノ・レッド」や良質の素材から繰り出される繊細で優雅な服作りはエレガンスと知性を讃えており白黒のシンプルなドレス等が有名。1996年イタリア功労騎士に叙され、2000年にはCFDA(アメリカファッションデザイナーズ協会)より生涯功労賞が送られており、まさにTHE LAST EMPERORである
TEXT: KESO