SATELLITE（サテリット）
SATELLITEは1986年、デザイナーのサンドリーヌ・デュロンと、パートナーであるダニエル・オアキによってパリでスタート。彫金が趣味だったという母親と、プリミティブアートのコレクターだった父親を持つ環境も、彼女がアクセサリーデザイナーとしての道を選ぶことに、ごく自然と影響を与えたのではないだろうか。
サンドリーヌは、大学時代に民俗学を専攻。18歳の時に初めて訪れたインドをきっかけに、アジアへの興味が深まったという。数々の作品群からも、その傾向は良くおわかり頂けることと思う。
彼女にとって「旅」は、常にデザインのインスピレーションの源になっている。
旅先で見つけたビーズや半貴石、さまざまなファブリック、そして国境や民族の枠を越えた異文化との融合。そんな旅先での人々との接触や記憶、思い出は、キレイにスクラップされ、作品のデザインソースとなる。それらの蓄積が、彼女の創り出すアクセサリーの色や素材、質感などの自由なミックスに表現されているのである。
ゴールドやプラチナといった一般的な素材は全く使われていないが、彼女のデザインするアクセサリーには、「装飾品」としての本質が垣間見える。その昔、日本人女性の多くが和服に簪（かんざし）をさしていた様に...。（たとえ新作であっても）サテリットのアクセサリーには、そんな懐かしさが感じられるのである。
現在、パリ、アントワープ、カンヌ、ＮＹ、東京（表参道ヒルズ）、大阪（ブリーゼブリーゼ）にショップ（直営店）を展開中。
TEXT BY WK