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  • Posted on
    2010.06.02
  • posted by kenshin.

Rick Owens Pavane for a Dead Princess




























ファッションデザイナーRick Owensの服作りはもちろんのこと彼の世界観に魅了される人々は多く、シンプルな色使い、ぎりぎりまで絞り込まれたデザインにファンが多い。

彼自身、バキバキに鍛え上げられ彫刻のようになった筋肉、ユニフォームのようにいつも同じような黒い衣服を身にまとい、長い漆黒の髪の毛はまるでファンタジー小説や映画から抜け出たような漆黒の王の様

美しくダークな彼のイメージ作りは決してただの一個人の趣味の世界で完結している訳ではない。
その影響力はしっかりと根づき浸透している。街には彼の服を身にまとう人々をよく見かける。それがアメリカのサウスウエストの街であってもだ。


彼は ある雑誌のインタビューでこう答えている「ブランドを始めた当初、"ドラマティックで極端なファッションはランウェイか特別な時だけのモノ"という現実にオレは憤りを感じていたんだ。そこで、グレーといった"毎日の生活に溶け込める中間色"で極端なシルエットの服を展開することによって、そういった既成概念をブチ壊したいと思った」

RICK OWENSは「オレは家具を服の延長として考えているんだ」とも語っていた。

そのRICK OWENの世界観を洋服作りの延長である家具へ投射したエキシビジョンが今NYで行われている。



Pavane for a Dead Princess(亡き王女のためのパヴァーヌ)と銘打たれたこのコレクションは彼のダークで美意識、ミニマライズされた世界を体現できる
それは服作りでは限界があるソリッドな感覚や質感が十分に投影されたすばらしいもので美しく同時に残忍であるかのような表現であり1.5トンもあるアラバスターであつらえたソファーベットや大理石で囲われたソファー等 ただただ圧倒される
いくつかは既に買い手がついており値段は17万5000ユーロ(約2000万円)
パリにベースを移した事で邪悪さと紙一重の上品さを身につけRICKのぴったりくるというミニマムなNYなスタイルに味付けされた彼独特の美しく残忍なミニマムな世界感が伝わって来る作品群である


 
RICK OWENS

1961年、アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれる。現在はパリを拠点に活動を展開する。ハリウッドのモノクロムービーや、90年代初頭のアンダーグラウンドカルチャーに影響を受け、アートスクールを中退後、自身のブランドを制作する。2001年ニューヨークコレクションでデビューをし、CDFAより新人賞を受賞。2003年より発表の場をパリに移し、同時にレヴィヨンのアーティスティックディレクターに就任する。"ミニマリスト・ゴス"がデザインした"ハイ・プリーステス・シュラウド"と形容されるリック・オウエンスのデザインは、ダークな色調、ドレープの美しさ、シンプルでありながらも建築的構造のアプローチが特徴である。自身の自叙伝であると語るリック・オウエンスのコレクションは、今までの人生を省みた時、本当の自分が内に求める平静な美しさ、自身の弱さや猛烈な自我、青春時代に抱く未熟な理想やそれ故の必然的な挫折、彼の経験や価値観を具現化し発表する場である




TEXT BY KESO







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