Fashion&Beauty

>> Fashion&Beauty : Home

  • Posted on
    2008.11.18
  • posted by kenshin.

カルバンクラインの壁

NYのDOWN TOWNのHOUSTON STREETとBROAD WAY近くにはFASHION広告に使われる壁がいくつか存在する。
FASHIONというスキンを持ったビルボード壁である。DONNA KARAN等NY観光名所になっている壁もその一つ、その中でもとりわけFASHION PEOPLEやFASHION にうるさ方の口の端にまるでお天気のお話や挨拶がてらに上る話題の一つとしてその壁の話題になるのである「今度の新しいの見た??」などのように。
その壁はCALVIN KLEINの壁である。厳密にいうとCALVIN KLEINのビルボード飾る壁なのである。

NY出身のCALVIN KLEINは友人とともにコートの会社を立ち上げる。この会社は成功を納め、70年代に「CALVIN KLEIN」とカジュアルライン 「CK」を立ち上げ事業を拡大。
80年代に入るとあの物議を醸し出す現在も続くカルバンクライン広告論争の幕開けとなる広告戦略を行う。これに関しては幾度もいろいろな場所で論議が繰り広げられたり考察が出ているのでここでは簡単に説明だけでディティールは割愛させて頂くが、、、
1980年当時15歳であった女優 ブルック シールズを「CALVIN KLEIN JEANS」の広告ミューズに起用。 アンダーウェアーをはかずジーンズを履き挑発的なポーズをとる彼女のコピーには「私とカルバンの間には何もない」という大胆な戦略で社会論争になる。余談だが、この時彼女の契約金は当時としては破格の$500000である。
その戦略は止まらず
1983年にはブリーフだけを身にまとったメンズのモデルをビルボードに登場させ皆を驚かせ。
1992年には当時新人モデルであったKATE MOSSを大抜擢し「ドラッグ中毒のような女の子を起用するなんて」などドラッグ反対団体から抗議されており
1999年にはチャイルド ポルノまがいの広告をNYのビルボードに掲げこれが大問題となりわずか1日でおろされる。
しかしこれはもちろんのことCALVINとNYのプロダクションであったWIEDEN&KENNEDY社の巧妙に計算し尽くされた広告戦略であった。
この広告戦略は皆が承知のように大成功をおさめ商業的戦略にも貢献することになる。この社会論争を巻き起こし無料にて新聞やテレビで取り上げられ人々の話題に上るという緻密な計算のもと練られた広告戦略であった、しかし、この戦略も芸術の領域に迄踏み込んで行ったすばらしいクリエーター達のヴィジュアル作りによるクオリティーの存在も無視はできない。

そのような斬新であり社会的論争を巻き起こすビジュアルやコンセプトを持つCALVIN KLEIN のビルボードを飾り続ける壁がSOHOに存在している
イエローキャブのドライバーの勤務交代時間の前にごった返すガソリンスタンドの前のロケーションで立ちはだかるひときわ存在感を知らしめるCALVIN KLEINを着た壁。
そんなただの壁でない壁にただ事ではないことも時には起こりうる。
昨年この壁がCALVIN KLEINのビルボードごとジャックされたのだ
壁の上の方に現れたピンクのペンキのシミは日に日に流れ出し壁を覆いそして
昨年オープンしたNEW MUSEUMのオープン告知の広告に広告が広告を塗りつぶしていったのだ。社会論争を巻き起こす壁の上をジャックして行く すばらしく新しい行為であり大胆きわまりないもであった。
さて今後この有名な壁は私たちをどう驚かしてくれどのような社会論争を起こしてくれるのであろうか? 
今後も楽しみなカルバンクラインの壁である。


top