ついに待ちに待った才能が現れたのではないか?
アレキサンダーマックイーンやコムデギャルソンのような衝撃的な世界感や時には奇抜すぎるデザインという訳ではないが、何か言葉にならないじわじわとくる感覚、ピースがかちりかちりとはまっていく感じ、この今の時代から出るべくして出たような才能 ケイト&ローラ・ミュラヴィーの姉妹により設立された気鋭のブランド「
RODARTE」
アバンギャルドでゴシックな作品と言われたりもされるが、彼女達のクリエーションはそんな言葉ではひとくくりにはできない。
カテゴライズができない作品なのだ。 彼女達のクリエーションはカテゴライズされてひとくくりにされる領域からはもう自立している。
RODARTEはなんと表現すればいいのか、不安定さと言うか、パーフェクトではない完成度のほつれが垣間見えるスキがあるのがいいのだ。
しかし、この完成度のほつれは彼女達のバックグラウンドの影響かそれはほころびではなく彼女達のテイストや確固たる信念というものがエレガントでアーティーなほつれ具合をのぞかせる。
2011S/Sに代表される様にかなりアバンギャルドでストラクチャーのあるデザインなのだが、ガーリーな世界をまぶしつつ視線をかわしながら彼女達の世界に引き込んで行く力のあるデザイン。セレブ達も競って買い求めるのは実際にきてみると簡単にアーティスティックな着こなしが完成され、着るものに力を与える事にのできる服。
工場生産を行なわず、すべてハンドクチュールで仕上げるドレスは、ニューヨークでのデビュー間もなく、ファッション界に旋風を巻き起こしつつあり、ニューヨークのクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館(Cooper-Hewitt, National Design Museum)でロダルテ"の展覧会「Quicktake : Rodarte」が開催されたり、ナタリーポートマン主演の映画「BLACK SWAN」の衣装を手がけたりと、あらゆるステージで、ちゃんと足跡を残している。
たぐいまれなる才能は何処までこれから時代の波に飲み込まれる事無く才能をのばし、私たちに、かつてのマックイーンやミゲール アドローバーの様に夢を見せてくるのか楽しみだ。
TEXT BY KESO