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  • Posted on
    2009.02.28
  • posted by kenshin.

Mannina

イタリアのヴェッキオ橋の近くに「マンニーナ親方の靴屋」と呼ばれているフルハンドメイドの名店がある。

Mr.Mannina Calogero。1935年10月9日、シチリアの、ある靴職人の家系に誕生。生まれ故郷のシチリアの田舎町『Santa Margherita Belice』は、人口10,000人の小さい町にも関わらず、その当時は靴職人のお店が20店舗もあった靴職人の町。そんな靴職人の町で、7歳から靴の職人としての技術を教え込まれ始めた彼の手は、ハイテクの工業機械が正確無比に作業をしているような、スピード感、精緻さ、そして何より美しさがあり、まさに生粋の靴職人と呼ぶに相応しい。

職人と言えば頑固者で、とても恐い印象がある。しかしこのマンニーナ親方は、素朴で朗らか。その人柄だけでファンになる人もいるくらいだ。初対面でも気軽に近所のバーなどでコーヒーをおごる用な気さくな人です。
そんなマンニーナ親方ですが、仕事となればまるで別人。
フィレンツェで定期開催されている権威あるクラシコファッションの祭典「Pitti Immagine Uomo」の出展常連でもあります。
顧客ごとに、ラスト(木型)を削ってから作られる「究極の手作り靴」との高い評価が知れ渡っています。
イタリアに行ったら必ず立ち寄りたい靴屋として国際的に有名で、世界各国から彼の靴を求め来店する人が後を絶ちません。
マンニーナ親方の靴作りは、人種によっても作り方が違います。例えば、日本人の靴を作るときはジャストフィットでなく、少しゆとりを持って作ります。それは、日本にはわざわざ靴紐をほどいて靴を履いたり脱いだりといった習慣が無く、さらに世界的にもよく歩く人種であることから、このように作るのだとか。
さらに他にないやり方がプレフィッティングの時に見られます。試着のためだけに靴を作り、それを履き、直接修正をいれる、まさにこだわりである。これほどまでに精魂かけて作っているのにもかかわらず、決して高価な部類には入りません。
それはマンニーナ親方の「庶民に手の届く価格でその人だけの注文靴を提供したい」との理想によるところが大きいと思
われます。その人に合った、その人のための、その人だけの【  ...  】。

そこには職人として人と関わる魂がある。
職種は違えど同じ作り手として、おおいに共感できます。

こんな靴で町を歩いてみたいものです。



text by G.M

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