2009年6月5日、世界環境デー(WORLD ENVIRONMENT DAY)に合わせて航空写真家のヤン・アルテュス・ベルトラン(Yann Arthus-Bertran)が監督したドキュメンタリー映画『HOME空から見た地球』が世界100ヵ国以上で一斉に公開されました。
この映画は環境問題への関心を高めることを目的にあらゆるメディアや世界各地の野外イベント会場での上映会も行われ、ほとんどの場合、無料で公開され、史上最大規模の「エコイベント」になりました。
映画製作総指揮にリュック・ベッソン(Luc-Besson)、制作費はグッチ、イブ・サンローラン、ステラ・マッカートニー、アレキサンダー・マックイーン,プーマなど名だたるブランドを傘下に持つ世界有数の高級品・小売大手のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)が最高経営責任者を務めるPPRグループがサポートしました。
PPRは映画HOMEをサポートし環境保護活動を支援する「Home project」を行っている。その傘下のアレキサンダー・マックイーン、イブ・サンローラン、フセイン・チュラヤンなど有名ブランドが今回、シャツ、スカーフ、バッグなどで環境問題についてメッセージを発表しています。
こういったファッションブランドが環境問題について考える流れが近年では大きくなっています。
この流れはとてもいい流れだと個人的には思います。トップブランドがすることによってその業界全体に広がりいろんな業界へとその輪は広がり多くに人がしることができるのです。
ファッションとエコ(環境問題)がなかなか結びつかないようなイメージがありますが、エコをテーマにバナナやパイナップル、大豆、竹などの天然素材を用いた作品がハイモードなコレクションで披露されたり特集がくまれたりファッションとエコの関係は強くなってきています。
しかし、エコファッション=天然素材とは一言では言えません。合成繊維"と"天然繊維"を環境的視点から見たときの優劣を言えといえば、一般的に地球にやさしいかとなると、やはり天然と答える人が多いでしょう。ところが天然だから合成より地球にやさしいとは限りません。天然繊維を作るために、人々は木を切り倒し、畑を作りつづけてきました。その作業は立派な自然破壊です。繰り返し必要とされる天然繊維より丈夫な合成繊維を使うことで、むしろ自然が保たれるという考えもあります。。大切なのは、素材(繊維)ではなく、そのメリット・デメリットを見極める視点だと思います。
今回のフセイン・チュラヤンが発表したトートバッグは地球温暖化の問題と動物界への影響への思慮によって生まれたプリント柄は、絶滅が危うまれている動物たちはその姿が印刷され、すでに絶滅してしまった動物は白地で形取られいます。ストレートな表現で誰にでも分かりやすくとても素晴らしいなと感じました。現在地球は危機的な状態で、それを自分自身解ってるからこそ素直にこのデザインが素晴らしいと感じたのだと思います。この危機的状況が」進めば次は人類が白地で形取られることになるでしょう。
今ファッションのあり方が変わろうとしている時代だと思います。
フランソワ・アンリ・ピノー氏は『地球環境や生態系のバランスに関する問題はもはや誰も否定出来ない。熟考する時間はなく、未来をかえるために今すぐ行動しなければならない。』と述べている。
まさにそのとりで環境問題を一人一人が知り、支援するこころを持って日々のおしゃれ、ファッションを楽しむということがこれから進む未来への新しいファッションの魅力や価値、楽しみ方が見えてくるのだと私は思います。
エコが単なるトレンドで終わらないように願います。
TEXT BY GM