GUSTAVOLINS オートクチュールの新たなる創造
GUSTAVO LINS EXBITION AT LIFT
オートクチュールを通じて新たな創造を生み出す目的に東京の代官山のセレクトショップLIFTでGUSTAVO LINSの軌跡を表現した個展が５月２日まで開かれた。
オブジェの様な造形的で圧倒的な表現力。
そしてそれらを表現できる卓越された確かな技術力が見て取れる。
それはオートクチュールをベースに成長してきた彼の歴史でもある。
『人は立つ、それは建築にも通じる事、だからファッションは建築でもある』
まさに彼が創る作品はオートクチュールが持ちうる感性と技術が彼のバックグランドである建築とが見事に調和され解き放たれたような独自の世界観で表現された立体的な三次元の世界。身にまとう衣をこのように表現できるのは彼しかいない。
彼が服を制作する上でとても面白い独自の手法がある。
それは型紙ではなく石膏を用いてパターンを作り上げるという独特な手法でマネキンや人体に直接ぬっていき造形していく、その質感、ドレープをあとで布で再現する。彼が造り出す構築的で造形的なシルエット、ディティールに繋がっているのです。体の軸を極限まで意識し、動きから空間を構築する彼のデザインには建築的な感覚が随所に生かされている。静と動、光と影、内と外、男と女、彼の作品はこれらの普遍的な要素が重なり合いオートクチュールの新たなるを可能性を見いだしている。
2010年７月パリオートクチュールコレクションで彼が造り出す世界観オートクチュールの可能性に注目したい。
Gustavo・Lins（グスタボリンス）
パリのオートクチュール界を中心に活躍するブラジル人デザイナー
建築を学んだ後、２８歳でファッションの世界に飛び込み、LOUIS VUITTON、John Galliano、,KENZO
など、大手メゾンで１５年間モデリストとして実質的なテクニカルサポートをした立役者である。
２００３年自身のブランド『GUSTAVO LINS』を設立。
独特の重量感、創り込まれたデザインに定評を持つ、ファッション界の哲学者と呼ばれている。
text by GM