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  • Posted on
    2009.05.08
  • posted by kenshin.

CRYSTAL RENNの活躍による美の再定義






fashion modelはfashion界のハンバーガーとも揶揄される様に使い捨て的な意味合いが含まれたりと移ろい変わるスピードはめまぐるしく、そうそうロングランでは活動ができないのがmodelの定めの様です。
彼女達はイメージとは裏腹に日々、体のプロポーションを保つ為に食事の制限をもうけ体型を維持しながらも過酷な体力勝負の現場を毎日乗り切る、ストイックな生活を送っています。
そんな理想のモデルとしての体型はいつの頃か神格化され体を支えれるのかと思うような折れそうな足、抱きしめれば壊れるのではないかと思うぐらいの細さを全面に押し出したボディーをいつの間にか人々はモデル体型とうらやましがり、強迫観念の様にこの体型の様になりたいといつの頃からか脳に刷り込まれている昨今。

2007年 イタリアのアパレル会社が全国で展開した「やせ過ぎへの警告」キャンペーンは記憶にも新しい。
時代の証言者としてこのキャンペーンを撮りおろし、90年代のベネトンでの強烈なイメージのキャンペーンでも有名なフォトグラファー オリビア•トスカーニ氏は「 「ファッション界の独特の環境が、少女たちに『やせよう、ダイエットしよう』という気持ちを起こさせる。」として2006年にロカルノ映画祭で拒食症にかかった16歳の少女の短編映画を撮っているうちにこの問題を深く考える様になる。
彼は冷静な姿勢で拒食症問題に臨んでいるという。「拒食症に衝撃を受けたり、強い影響を受けたことはない。カメラマンは時代の証言者であるべき。宣教師のように説教をして回るのではなく、ジャーナリストして自分の仕事を通じてこの問題を訴えていく」との姿勢を彼は守っていた。

一方、1986年、アメリカ、フロリダ生まれのモデル CRISTAL RENN も拒食による健康被害を経験した一人である。
もともとモデルに興味がなくふくよかだった彼女は元々の美しさを認められスカウトされ14歳でモデルとしてのキャリアをスタート。彼女は再三の様にモデルエージェントからお決まりの文句である「やせろやせろ」と言われ続けられ無理なダイエットを始め自分の体重の40%を落とすと言うダイエットの結果、摂食障害を煩いそれに伴い神経症も煩い、そのプレッシャーをかけたエージェントからは解雇される。
しかし、彼女を友人や家族が献身的に支え続け回復の道を遂げる。
彼女が18歳の時 FORD MODELSエージェントは彼女の本来持っている美しさを評価しCRYSTALとの契約を結びモデルとしての復帰するが、元々、大柄の彼女はプラスサイズモデル(標準より大柄なサイズ)としての道を歩むことになる。
しかしそれは彼女の思い描いてたエディトリアルのファッション撮影とは遠い、年配のご婦人方の商品カタログのモデルとしてのしごとで活躍する事を暗に意味していた。
なぜならば、プラスサイズのモデルを扱うエディトリアルページが存在しなかったのである。
その頃、実験的にVOGUE ITALIAの撮影でプラスサイズの撮影の企画があがり。写真家 スティーブン マイゼルの目にとまり彼女をミューズとして起用。
今月のAUSTRALIA HARPERS BAZAAR誌では、写真家 LUIS SANCHISが彼女をエディトリアル ファッションページのモデルとして起用し撮りおろし、そのイメージは人々に衝撃を与え、様々なメディアで噂を呼び、人々に美しさの再定義を迫るような記憶に残るものとなる。
彼女の体のカーブな美しさのラインは新しく美の幅をファッションに拡げたと言っても過言ではないのではないか。
なぜならばかつては皆、ノーマ•ジーンのカービーな美しさに夢中になり
かの有名な建築家 ル•コルビジェも南米から戻る船上でジョゼフィン•ベーカーと出会い彼女のカーブしたボディーラインに惹かれ北アフリカのアルジェの街を修復する「オビュ計画」を直線一辺倒だった彼の作風とは全く逆の曲線あふれる街に仕立て上げたほどである。
女性の体型は大げさかもしれないが世界を変えていくものかもしれない。
そういった意味ではCRYSTAL RENNの活躍は美の再定義を見つめ直すことになりそうだ。



ハーパスバザー オーストラリア より



TEXT BY KESO


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