FASHION ILLUSTRATIONの巨匠 アントニオ ロペスは1943年 プエルトリコで生まれる。たった12歳のときに奨学金を得てNYのFashion工科大学(FIT)に進学する、この時点で才能の片鱗が伺える。
むろんその才能はすぐに開花し、FITの学生の間に出るべくして現れたという感じでfairchild社(vogue等を扱うcondenast社に吸収される前のWマガジン、WWDなどを扱っていた出版社)でキャリアを始める。
その後、契約が切れてフリーランスになると同時にHARPERS BAZZARやVOGUE,ELLE,VANITY FAIR,INTERVIEW MAGAZINEのファションイラストレーションを60年代、70年代を支え続けた。とりわけ功績が大きいのは70年代にNYからパリにベースを移すことでヨーロッパにNYで開花したPOP ARTを持ち込み広げたこと、ファッションデザイナーと組んで写真ではなくイラストレーションという形で40年代の写真表現の登場する以前のファッションイラストレーションという形ではなく、Fashion= Real+fantasy というようなマスの人に向けてのリアルさとfashionのもつファンタジックさを融合した。
FASHION ILLUSTRATIONとしての現在の形に導いた先駆者は44歳の若さで生き急いだようにこの世を去る。
彼がいなければ現在のFASHION ILLUSTRATIONと言う分野は立ち後れていただろう。
TEXT BY KESO