ACNE PAPER
「歴史の本は、貴族そして王と王妃が流行ファッションに影響を与えてきたと伝えている。しかしスウェーデンファッションはスウェーデン国民とその歴史の産物であると私は言いたい」 CAY BOND
ACNEは１９９６年にスウェーデンでクリエイティブディレクター、ジョニー•ヨハンソンがスタートさせたクリエイティブ オフィスが元々は広告、デザイン、TV、ネットゲーム等に関わるクリエイティブを担当していたのではあるが 顧客や知人等、極限られた人々にユニセックスのジーンズ製作を行い、雑誌等で注目を集めることになります。これを期に１９９８年デニムウェアーを中心としたメンズ、レディースラインを展開しラグジュアリーな雰囲気を出しつつミニマライズされすっきりとしつつもデイリーユーズとしても十分たえれるほどのフィット感等で定評を得ています。
２００８年にアルベール•エルバスがデザインを担当するLANVINとACNEとのこれボレーションでデニムコレクションを発表したのは話題となり人々の記憶に新しく素早い展開と確実な足跡を残している素晴らしいクリエイティブを紡ぎだしています。
彼らは現在 ファションブランドであるACNE, CM制作会社 ACNE FILM、広告部門のACNE CREATIVE, インタラクティブエンターテーメントを手がけるACNE NET BABY WORLD をもち幅広い分野で活動しクリエィティブの垣根を取払いそれぞれのノウハウや幅広い異なった知識を導入しシェアーしていきながら専門知識をコラボレートしていくという強みを持ち、活動しています。
特筆すべき彼らの活動はやはり「ACNE PAPER」 ではないでしょうか？
２００５年から年に２回のペースで発刊している雑誌なのですが毎号、年齢、文化背景、社会的地位に関わらず、普遍性のあるクリエィティブなテーマに題材に制作されており。ポートレート。ファッション、アート写真を始め、インタビューや、エッセイ等を掲載し、あらゆる世代のマインドを一つにする事を掲げ、過去の偉人や出来事を讃えつつも感傷主義主義ではなく、普遍的でいて、現在にもフィットしノスタルジックな感覚とモダンな感覚を交差させミニマライズに仕立て上げながら見る者の脳を揺さぶっていきます。時間軸にとらわれずハイカルチャー、ポップカルチャーのどちらともをリスペクトしミニマルでインテリジェンスな感覚をACNEの持つ様々なカンパニーの知識やノウハウ、哲学、コネクション、など総動員しながらも見ていてて暑苦しいクリエイションではなくエレガントにしててあげられているのはさすがセンスがいいなあと感じざる得ません。
何かと話題のスウェーデンのクリエイティブですがブランドの構築とイメージ作りに優れながらもクオリティーが安定しており何よりも実用的であり熟練の職人芸が革新的アイデアときれいに昇華し心地よさを感じれる気がします。なにか気付いたらそこにいたみたいな空気を持つあたりがスカンジナパワーを感じグローバルに展開していく様は語学能力の達者な国民性を生かしながら確実に２１世紀の現在に足跡を残していく感じがします。手にすくえないような透明感があり柔らかでしなやかなそのきれいに昇華されていくスカンジナビアクリエイティブを感じ取れる一冊がACNE PAPERではないでしょうか。
TEXT BY KESO