『Warped Passages〜ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』
リサ•ランドール著 向山信治監訳 塩原通緒訳
現在、リサ•ランドールと言う若き天才の物理学者の提唱する新しい宇宙理論が、全世界で注目を浴びています。
どうやら宇宙は私たちが実感できる3次元+時間という構成ではないらしい。
そこには、もう一つ見えない次元があるというのだ。
彼女は物理学の実験により素粒子を観察している過程で、この世の時空間から消滅しては又姿を消す素粒子の不思議な動きに着目し解明しようとすることが理論構築の発端となり、その理論的解明に取り組んだ結果、私たちが住み、知覚しているこの3次元世界と密接した型で、時間、空間ともに一つ高い次元、5次元宇宙が存在しており、我々の暮らし、存在している次元に何らかの影響を及ぼしているのではないかという理論に到達したのです。
5次元空間の事を3次元空間の中で説明しようと言う行為は容易ではありません。
例えば5次元空間を次元を下げて2次元の世界で説明する事にしましょう。
私たちが縦、横だけの二つの方向性しか無い2次元平面の存在だと仮定してみましょう。
二次限平面に住むものに取って、3次元空間を体感する事は絶対に不可能です。
2次元空間が水槽の底のような平面だとするとその水槽一杯に水を満たしても3次元的量を持つ水の存在は認識できません。
しかし、水は存在し、常に水槽の底である2次元平面と密接に接触しているのです。
ランドール博士は、
5次元宇宙には、3次元宇宙が折り重なる様に多層的に存在しその間を重力子により何らかの影響を及ぼしているのではないかという仮説を立てています。
博士は5次元の世界があるに違いないというもはや啓示に近いインスピレーションに導かれて 個の理論を考案し、理論と直感の両方がが大切だと考えています。現在、この理論を証明すべく、スイスジュネーブにて検証実験が行われています、この理論が証明されれば、宇宙の構造を含め、物理学で説明がつかなかった現象の理解が可能となります。
この本を読み進めるうちに5次元空間が3次元空間に博士の理論通り何らかの影響を与えるのであれば、
その影響力や力は我々の思考の限界を超越した絶大なものの可能性を感じざる得ません、古代の時代から、宗教家、精神世界の指導者等が述べるような神、天、創造主等等といったようなもの存在や神秘的な出来事等を解き明かしてくれる鍵になる気すらしてくるのです。もはやこれは物理学所の枠を越え精神世界と科学や物理学との一見、結ばれがたいものが、すばらしく融合し、手を取り合う感覚すら感じて行く一冊です。
『宇宙は私たちが考えているよりも大きく、豊かで、変化に富んでいます』 リサ•ランドール
未来の扉が開く日は近いのかもしれません。
リサ•ランドール( Lisa Randall )
ハーバード大学卒業。理論物理学者。 現在、ハーバード大学物理学教授。 専門は素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。プリンストン大学物理学部で終身在職権を持つ初の女性教授となる。
また、マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学においても理論物理学者として終身在職権を持つ初の女性教授として迎えられる。
最も現在注目されている女性物理学者である。
text: keso