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  • Posted on
    2009.12.08
  • posted by kenshin.

SANAA







ものの考えようで柔らかく表現できる人SANAA。いらないものは削ぎ落とす。
いいものだけを集め、土台は常にしっかりしている。そして常にシンプルである。

昔から建築物といえばいろいろな思考で考えられ、どうゆう所に意識をしているのか、それをどう形にしていくのか。例えば遡ると、日本最古の建築物に法隆寺や金堂などがあげられている、重層入母屋造りで、膨らみ(エンタシス)をもつ円柱が屋根と軒先をバランスよく支える構造、古代中国の建築とも共通する装飾、建物を高い所から見下ろし眺めれる形がほぼ正方形であることなど、お寺という建物は至ってシンプルな考えに思える。木と木が重なり合い、その交わりが強度に繋がり、何百年もの歳月を過ごす。それがデザインにも繋がり実に美しく、凛として魅える。内装は幾度に重なり緻密で豪快に合わさった木が重厚で、その重なり合いはちょうど人間が心地いいぐらいで圧迫感と開放感の狭間に感じる。

その真逆に、ロマネスク様式という建築があるが、主に教会や礼拝堂など神聖な場所を扱った建築である。

中に入ると、天井が高くて、柱が幾度も並び、沢山の絵が画かれ、まるでその建物自体が美術館のように美しい。
所々にモチーフが重なり合い、優しい色使いで表現されている。決して原色は使っていない、やはりそれも人と共存するから、人が落ち着かないとゆっくりお祈りも出来ないはず。しかしそれは時代時代によって変化していき、形も何もかも足し算引き算でバランスをとっていく。
現代の建築物をみていると、かなり解放された感覚が見える。

SANAAの妹島和代と西沢立衛、二人の建築家はとても表現力者であり、とりわけミニマムに表す。










SANAAの建築をみていると常に、緑や青や白い雲、優しい木漏れ日で満ちあふれている。そして建物自体も白を基調とされている。白とガラスと空。そして曲線。簡素化されている用だが緻密に計算されている設計であり、彼らの考えでは、平面から立体図に想像を膨らませ、そしてその想像できた事を模型へと表していく作業である。
かなり建築家の中では一風変わった表現なのだ。 建築家の伊東豊雄氏が初めて彼らの建築を「ダイアグラム建築」と読んでいた。「予測される生活行為を抽象的に要約した空間のダイアグラム=建築 一般に建築家たちは、複雑なプロセスを通して、建物空間のダイアグラムを現実の三次元の構造体へと変換していく。彼らはまるで積み木で遊ぶような感覚で、箱の中や丸の中に、支える柱、しきりなどを組み替えてアイデアをどんどん出していく作業。美術的な発想である。        1995年~2003年のまとめられたSANAA WORKSを見てみると、本当に面白い。見ているだけでも想像が膨らみ、ワクワクしてくる。「この白い部屋に真っ赤なワンピースを羽織って、手にはくすんだ緑の葉っぱを持って立ってみたい」などと連想出来る。
そこがきっと新しいんだと思う、歴史上は歴史上、教会は教会。だいたい想像される事は決まっているのだが、このSANAAの建物をみているといろんな想像が出来るし、ある意味で想像以上の展開で、全く調和されていない、期待を裏切ってしまうところ、それが逆におもしろいし、これからの未来も想像できるのではないかと企んでしまう。
どんな事も見逃せない、常にアンテナを張っている。だからきっと常に平常心で、自信に満ち、誇りを持ち、いつまでも新しい建物を造り続けるのだろう。











SANAA


95年、妹島和世と西沢立衛とで設立された建築ユニット。主な作品に、国際情報科学芸術アカデミーマルチメディア工房(岐阜)、ヴェネチア・ビエンナーレ第7回国際建築展 日本館『少女都市』会場構成、ISSEY MIYAKE BY NAOKI TAKIZAWA(2007、東京)、ディオール表参道(東京)、金沢21世紀美術館、トレド美術館ガラスパビリオン(オハイオ、アメリカ)、ノバルティス製薬オフィスビル(バーゼル、スイス)、直島町海の駅(香川)、ニューミュージアム(ニューヨーク)、サーペ ンタインギャラリーパビリオン2009(ロンドン)などがある。

日本建築学会賞、アーノルド・ブルナー記念建築賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、ザルツブルグ建築賞V.スカモッツィ賞、第46回 毎日芸術賞建築部門、マリオ・パニ賞(Premo Mario Pani、メキシコ)、ベルリン美術賞など受賞。現在、ROLEXラーニングセンター(ローザンヌ、スイス)、ルーブル・ランス(ランス、フランス)、ヴィトラ・ファクトリー(ドイツ)、パリ十六区公営集合住宅(パリ、フランス)などが進行中である。










TEXT BY NOKU



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