yasuhiro ishimoto
日本の写真家
石元康弘は1921年にアメリカ サンフランシスコで生まれる
3歳の時に父親の故郷である高知県に戻るが 第二次世界大戦が勃発した1939年に再渡米し、シカゴ・インスティテュート・オブ・デザインで写真を学ぶ
研ぎ澄まされた造形感覚と繊細な美意識が共存するその写真世界は、海外で評価が高く徹底したモダニズムの美意識薫る研ぎ澄まされた構成や日本的情緒を排除した作風はグローバルという意識が無い当時においても圧倒的な迫真力、透徹した凝視力が浮き出る写真であり、世界において高いレベルである。
近年まで現役で多重露光というスタイルに切り替え写真を撮り続けて来た彼は2008年脳梗塞で自由にカメラを操れなくなり、「一人で撮れなくなったらやめようと思っていたからね」とあっさり引退。 美意識を貫く。
現在、日本の1950年代〜1970年代の写真家が世界で注目を集めている オーストラリアでは大々的に美術館で展覧会が開催され、アートオークションでは高値で取引され、あのシャネルのデザイナーであるカール•ラガーフェルド等もこぞって蒐集していると聞きます。
なぜここまで注目がされるようになったのか?
評論家によると名作写真集が多いという所にあるように言われています。数々の名作写真集をつくりあげた印刷製本における 職人的な高い技術力やグラフィックデザイナーの活躍もさることながらしかし、それ以上に重要なのは、皮肉にも日本の写真や芸術に対する価値観の低さというものがあげられる気がします。
欧米のようにギャラリーや美術館といった サポートや評価してくれるキューレターなどがなかなか整わなかった文化環境もあって、 「写真集」という表現媒体に写真家たちの情熱や才能が一極集中していったことがかえって、作品のタイムマシン化につながり、作品媒体として数多く残る事になったからではないでしょうか?
まだまだ 日本では日本人の写真や絵画、芸術に対しての真の価値観や評価が低い中、小規模ながら面白いギャラリーなど出始めだしていて今後が楽しみな感じがします。
reference
wikipedia
朝日新聞
text by keso