国旗に描かれた、国を代表する、または世界を代表する人物が描かれている。
自分とは何か、国家とは何か、愛国心とは何かアイデンティティとは、、、それらが痛烈に表現されている。
激しく、時には切ない表情で、個が持つ魅力的なイメージの中の空虚な美しさを感じる。
強烈な個性を持つ人間、華やかなフィクションの世界で生きる人間を描く事で、彼らが時より見せる、決して表には表現できない一瞬の表情が痛烈に表現され、生きる環境によって作られたアイデンティティの中で戦う本来の自分、本当の自分とはなにかと。きらめくライフスタイルの裏には何かを犠牲にする、悲劇の可能性を誰もが持っているという事を考えさせられる。
彼女の作品は、フィルムノアールの要素である虚無的・悲観的・退廃的な指向性がありその中から生まれる美を表現している。彼女が作品を作るうえで大切にしている事がある。アイデンティティと私たちがどう存在するか、それらをもって国(環境)とどう関連するかということ。苦痛な美(何か美しい感じるときに、それを失うかもしれないと思うこと、何かを犠牲にする時に感じる空虚な美しさ)、望むこと(過去にもかかわらず、未来を向いて楽しもうとすること)。不思議に思うこと(子供のように、純粋に物事をみること)。
実は人々はおぼろげに本当の自分を100%表現できないという悲しみを解っていて、それらを有名人と国旗国家を使い痛烈に表現する彼女の作品に人々は魅せられるのではないだろうか。
text by GM
PamGlew
1978年イギリスに生まれる。
現代に代表される若い女性アーティスト
2010年Ralph Laurenにて作品が展示される。