芸術とは何なのかと考える芸術家は個人的に好きです。
見事にアートと哲学的な要素があり、それらは常にループしているのだろうかと考える。そもそもなぜ芸術とはなんのかとわざわざ問いかけるのだろう、、、
1931年サンディエゴに生まれた「ジョン・バリデッサリ」が作り出す世界観はコンセプチュアルアートであり60年代から独特のポジションを確立し、早い時代からのマルチメディアアーティストとして活動している。
有名なのは、ビデオアートである彼の作品「i am making art」彼自身がすこしづつポーズを変えながら緩慢に体を動かす様子、そして発声する「芸術製作中」と呟く様は観る人々になにを与えたいのか??
そこに芸術はあるのだと確信させられる。マルセル・デュシャンなんかは初めて便器に「何が芸術か」と罵ったかと思わせるような事も実際ありえるのであって、この映像とすごくリンクする部分でもあるんだなと、とてもシュールであって、哲学的な発想ではないのではなかろうかと私はこの芸術に触れてみて感じた。
彼のつくるコンセプチュアルアートは、常に尖っているが、なぜか少し洗練された様子が垣間見えるような気がする。それらの内容は政治や暴力などの内容をエンターテイメント性を基調とし、まろやかにしているからではないだろうかと考えます。それは彼の人間性などを捉えら、常に何かを探る作業は本当に何かを主張する、メッセージをアートで伝える、何かを感じてほしいなどと訴えかけているのではないだろうか、、、。そして彼の与える空間という隙間は独特であり、そういった面でも空間を意識した、とても建築物かのように思える空間演出、そういった隙間に人間はきっと弱いし、ぐっとくる物がある、そしていろいろとイメージが「新たな言葉が」浮かび上がってくるのだろう、、、。
John Baldessari
カリフォルニア出身の現代アーティスト
後にロサンゼルスに移住。カリフォルニア芸術院のポスト・スタジオ・アートで教鞭をとる。
自ら田舎のアーティストと称するが、雑誌を通じて国際的な動向に精通し、66年には絵画をやめ、テキスト、ビデオ、写真を使った制作を開始する。
text by noku