ベルギーをベースに活動するJan Kempenaersが撮る被写体は1960年~70年代にかけて第二次大戦の激戦地や強制収容所などの跡地に旧ユーゴのティトー大統領が建てさせたモニュメント。
実際に制作にあったたのは彫刻家、建築家など様々で、もっとも多いときで年間数百万人が訪れたというが、旧ユーゴ崩壊後はそれらは忘れ去られ、ただ、禍々しい姿をむき出しにしながら、過去の負の遺産の魂を背負いながら、そびえ立つ様は空や空間を切り取り、突如現れた異次元の物体の様
人々から忘れられ、たたずむ名もなき巨大建造物は老いていく人の人生を見るかの様たとえどのような偉業を成し遂げた人でも、その人の事を知る人間がいなくなれば存在というものがなくなってしまう
国が滅びなくなるという事はたとえ、記念碑であろうが人の思いが込められようがただの異物という物体にすぎなくなってしまう
text by keso