ステイニングという手法によって、直接生のキャンバス上に描き込まれていく彼の幾何学的な絵画は、僅か4種類の構図でその殆どが表現されている。「的(まと)」の様な円や点、3重4重の山カッコ(菱形もしくは四角形)、色によるレイヤー(重なり、線、ストライプ)。それらが高度に制御され、色彩や表面の整合性によって複雑化する構造に加え、それら作品の断片と錯視がその永続性を支持していると共に、二次元の宇宙とも呼べるキャンバスの延長線上に、まるで永遠を表現しているかの様だ。
「Kenneth Noland」
Josef Albersから「Bauhaus」の論理や色彩について学び、Helen FrankenthalerやJackson Pollockらの影響を受けつつ自らのスタイルを確立。同時にカラーフィールド・ペインティング(抽象表現主義)の確立にも貢献。Clement Greenbergのキュレーションにより、形式主義の芸術批評家達からも支持を受けたことで、創作・ビジネスの両面で成功を納めた。2010年1月5日、ニューヨークの自宅にて死去。享年85歳。
[Reference]
The New York Time's
Wikipedia
text by wk