ALAIR GOMES(アレール ゴメス)
1912-1992
彼の作品の主題は男性のヌード写真である。
それは単にポルノグラフィーと言った累計的なモノではなく
ギリシャ彫刻やかつてのロダンの彫刻のようにアカデミックとエロスチズムの融合であるような
完成度の高さが見て取れる。
それは彼の人生を送ったブラジルで撮りおろされ ブラジルのさんさんと降り注ぐその日差しから出来上がるコントラストの中に男性の筋肉の美しさや時には連作で窓からこっそりと盗み見したような人物の諸相を切り取っている。
バックグラウンドもまぶしく輝く白い砂のビーチや抜ける空の中に主題である男性の美しいからだが写真表現として昇華している。
そこには肥大したエゴや完成度の中のほつれ等という物は見当たらず、ただただ繊細で美しい彼の旋律を奏でたような世界に引きずり込まれていく。
TEXT BY KESO