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  • Posted on
    2009.08.10
  • posted by kenshin.

Brigitte Waldach






Brigitte Waldach、彼女の作品そのすべてがは赤いモノクロの世界です。
彼女の絵では人物やものが描かれていますが、その周りのスペースや距離感、の絶妙なバランスに彼女の世界観を感じさせられます。
このスペースと距離感に、登場する人物や物の圧倒的な存在感が目に飛びこんでくる、というよりも、彼女が描き出す世界に引き込まれるという表現が合っているような気がします。
とてもシンプルで解りやすいストーリーが絵の中で表現されています。




スタンリー・キューブリックの『シャイン』や、アルフレッド・ヒッチコックの『鳥』といったホラー映画の代名詞のような作品を視聴者の視点から見たような感覚で映画の中の等所人物になって描いてる作品もあり、ホラー映画の巨匠から多大な影響を受けている事が見て取れ、 白と赤のモノトーンの世界は不安や恐怖といった誰もが持っている感情をダイレクトに表現できるのではないでしょうか?
白の空間は、この絵を見ている者を絵の中に登場させるためのスペースを空けているのだと感じとれます。
そしてその空間に自分を映し込む事でよりこの絵の中の感情や流れる時間がリアルに立体的に感じます。
彼女の作品は紙に表現された映画のようです。ホラー映画をこのような表現で表されたのはとても新鮮です。
映画のシーン、一つ一つが一枚の絵に、違う媒体になり、またそこで新しい物語が造り出される、表現というのは無限に広がるという楽しさを再認識しました。
また違う視点から映画を見てみようと思える作品でしょう。










Brigitte Waldach

1966年ドイツのベルリンに生まれる。
1991年から1999年にかけてベルリン芸術大学のGeorg Baselitzの基で芸術教育、芸術理論、絵画について学んだ。
2001年にPostgraduate Honorsを取得。その後自分の作品を一般に公開し始めた。
現在はベルリンの自由大学(Freie Universittat Berlin)で教鞭をとっている。


text by G,M

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