THE SALON STYLE JOURNAL

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LATE OZU

実はなかなか海外の人たちが日本の映画を目にする機会は多くは無く、あの悪評高い利権を守る為のDVDリージョンコードや配給会社の都合や流通のシステム、サブタイトルの英語表記が無いなどたくさんのハードルがあり、なかなか外国人が日本映画を手にとる機会が少ないが criterion社から ECLIPSE SERIESでかなり質のいいセレクションのが発売されている
その中でもLATE OZUのシリーズは素晴らしい
日本映画の巨匠「小津安二郎」の晩年の作品集だ
晩年の彼の作品でもカラーフィルムに移行してからも完璧主義に磨きがかかりきった完成形が伺える。小津の映画人生の最後の10年の作品からチョイスされたもの、テクニック的には映画文法をを破る「切り返しショット」「ローポジション」などが有名で画面構成の中に必ずや赤色の物が入るグラフィカル感、何よりも景色、人物描写、コスチュームなど全てにおいてエレガントでソフィティケートされている、そのソフィテケーションされたものは市井の人々のごく平凡な生活のなかで描ききられている。
その小津の世界観に影響を受けた映画監督は多くいるのは知られているが、実はファッションフォトグラファーもかなり影響を受けた人々が多い。LAURIE BARTLEY,LUIS SACHISなどのトップフォトグラファーのエディトリアルワークに活かされる色味やコンポジションなどはLATE OZUに影響されたものが大きいという。
とにかくこのECLIPS SERIESのLATE OZUは必見
ピックアップされたタイトルは「早春」1956年 「秋日和」1960年 「小早川家の秋」1961年 「彼岸花」1958年 「東京暮色」1957年 の5タイトルでどれもこれもコンポジションの美しさやグラフィカルな色味、エレガントなストーリーと小津作品極まれり的な素晴らしいセレクト

  • 2012.7.08