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about ZINE

突然ですが　ZINE （ジン） ?　って聞いて何？と思われるのが大半なのではないでしょうか。日本ではまだまだ一般的には聞き慣れないZINE とは？
そう、ここ数年前ぐらいから、日本でもファッショニスタやクリエーターの間でにわかに注目されてきていて、特にEU圏（特にUK)のZINEは日本では注目されているようで　大手セレクトショップやサイトもその存在をピックアップしているほど。 中でも、有名なのは　UK ZINE の『Girls on Film 』が日本では特に人気があり、その特徴はおそらく掲載されている写真の雰囲気が緩くふわっとした感覚がフィット？している感じなのでしょう。 最近では蜷川実花など著名なフォトグラファーも写真集ではなくそのカジュアルなフォーマットを生かしたZINEを製作し発表しているのもその流れを物語っています。
ZINEとは英語でfanzine(ファンジン）の略で　日本語で例えたら　自主出版の同人誌　のようなもの。只、一概に同人誌と言っても、アーテイストが自分の作品を様々な手法でDIYに１冊の本にまとめてたりして　その制作バリエーションたるは本当たくさんあり、内容もかなり自由奔放に作り込んで部数や値段もかなりリーズナブルな設定なのが特徴です。 そもそもZINE は出版社や本屋、広告の掲載もないため、縛りもなく作者の好きなような表現を出せる本で　そのルーツは明確にはわかりませんが、個人的な見解では　１９８０年代から１９９０年代にかけて西海岸のスケーター達がが写真やイラストなどをチープな紙に描いたり、切り抜いたりして自分たちのスタイルをアナログな手法で制作した本を仲間達とシェアして楽しんでいたのが始まりかとおもいます。 特にUK 発のIt's Nice Thatの『printed pages』のZINEは以前よりpick upする内容や、荒削りながらのビジュアルが好きでチェックしていましたが、最近フィットしたのが、ID　MAGAZINEなどのサイトにも取り上げられていた　最近ロンドンのICAでのエキシビジョンも成功させ、未だ勢いの絶えないUKが生んだ　ファッション界の巨匠　ジュデイ　ブレイム　 の発表した　ZINE 『Riot De - Luxe 』はビジュアルも含め内容が流石のハイクオリテｲーで　もちろん資本力や著名なことも関係はしていたとしても　zine の本質を捉えた逸品だと感じました。 その制作スローガンが　ジュデイ　ブレイム　の真骨頂たる　アイデアの具体化する過程をアナログで組み合わし培ってきた　その感覚をこのZINEから少しでも感じてもらえればと...特に現代のテクノロジーを駆使して具体化する若いアーテイストや人々に何らかのメッセージとしてキャッチしてほしいとの願いが込められています。
ジュデイ　ブレイム　と言えば　やはり約２０数年前にファッション界に強烈なインパクトをイギリスから世界に与えた　 　The House of Beauty and Culture は当時個人的にもかなり影響を受けたのが、鮮明に体感に刻まれています。 その中心的な人物であるジュデイも含め、今は亡き　DIY精神をもつ靴のマエストロ　ジョン　ムーアや　デザイナーのクリストファー　ネメスなど　時のレジェンドメンバーが共に共鳴して８０年台後半から９０年代初頭のイギリスから発信したインパクトは　少なからずとも、今日のファッションに革命をもたらしたことや　その当時ON TIMEに体感した世代は一つの感覚のルーツと言っても過言ではないぐらいです。
ZINEの事とは少し外れてしまいましたが、やはりWEBの進化で情報過多に溢れる現代において、紙の媒体のファッション、カルチャー雑誌と呼べるものがどんどん淘汰され、奥行きのあるものが消えゆく中　アーテイストがその表現するフォーマットの一つとして　ZINEが注目されるのも自然な流れなのでしょう。 今世界では一つのカルチャーとして、ZINEは存在しつつありますが、果たしてこの日本の環境下で同じように一つのカルチャーとして受け入れられるのか？はたまたサブカルチャーとして一部のマニアだけのものになるのかは　今後の日本の状況や人々の感覚がどこに向かうかで変化していくのでしょう。 時に、スマホやパソコンのようなデジタルからの情報インプットを休ませて　アナログで作られたZINEや小説などを五感で感じてみるのも、切に必要な時代だと感じます。
我々　THE SALON もまた　数年前よりコンセプチュアルなオリジナルの　ZINEを製作してビジュアルアプローチの一つのプロジェクトとして発信していますが、是非　この機会に　DIY溢れる　ZINE の存在も含め注目してもらえればと思います。

• 2016.10.30