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SASHA MADEMUASELLE (21世紀の若者の衝動、叫び?)
2年前のjournal記事『デジタルの今』でも紹介していることにもリンクする事柄でもあり、すでに、あえて言うまでもないことかもしれないが、プロアマ関わらず、インターネットがあれば誰もが容易に情報を得て発信できる時代。ただ、リサーチセンスの差でその情報がその後の行動に大きく関係していくほど、今の時代は明暗を分ける。しかし情報を得たとしても、それに対して何が嘘か本当か誠か?その判断する感覚はぼんやりとした幻のように雲がかっている。問うことや事柄によれば意味すら持たず、ただなんとなくな感じや雰囲気で判断決断をするのがもはや当たり前かのように、それすらも気づかないほど、これでもかとスピードを増して常にアップデートされている現代。
そんな中、いつの時代も鋭敏な感受性を持った若者がその時々の感覚でキャッチしあらゆるツールを用いて発信していくものには、少なくともその時代の社会情勢や置かれている環境からの影響で生み出され、それは何らかの社会に対するメッセージが込められている。20世紀におけば、記憶に新しいのはドイツのベルリンやウクライナのキエフなどもその多くは皮肉にも社会が大きく変動し、崩壊した時やその後にその反動なのか必ず、アンダーグランドのナイトライフから新たな音楽やアートなどのカルチャーが若者から生み出された。しかし、そういったカルチャーも、いつしか商業主義が優先してしまい、一時のムーブメントに過ぎず カルチャーとして受け継がれずにすぐに衰退してしまうのが現実。ただ、社会情勢がこれだけめまぐるしくアップデートされる現代には、特に若者にはその時その瞬間に起こっていることがすべて今を集約させた現実であり、今も昔も変わりなくその場で体感、経験することこそが今を生きる証かもしれない。そのまさにその瞬間を切り撮る SASHA MADEMUASELLE ヤングジェネレーションのロシアンガールズフォトグラファーがその証を垣間見させてくれている。ふと90年代の日本におけるガーリフォトブームと評されその火付け役とも言われるHIROMIXやソフィアコッポラを彷彿されるが、そこには社会情勢の影響を受け、決してガーリーなだけでなくその時代の瞬間を強く生きる女性のダーテイーな部分も映し出され,その女性視点でのリアルさがとてもエネルギーに満ち溢れている。どこかそのバックグラウンドには、ロシアで言えばGosha Rubchinskiy(ゴーシャ ラブチンスキー)を彷彿させられる。すでに多くのメデイアに取り上げられ説明は不要ですが、2008年頃から川久保玲がサポートしその才能は21世紀のロシア、東洋のエキゾチシズム、冷戦へのノスタルジー、サブカルチャーの若者集団、サッカーのフーリガンや、スケーター、テクノ音楽などリアルなロシアのカルチャーを代弁するかのような明確なビジョンやテーマ性を持って、その才能たるはファッション業界では新たな気鋭なファッションデザイナーのアイコンとしてクローズアップしている。 そんなデザイナーであり映像作家、写真家の Gosha Rubchinskiy(ゴーシャ ラブチンスキー)の存在も大きく反映しているかもしれない。
時代が生み出す、若き才能は21世紀に向けてこの時代をどう切撮りさらにアップデートしていくのだろう。。。そして、その可能性を更に広げれるのは、柔軟な感覚を持った大人たちが示す環境に他ならない。
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