THE SALON STYLE JOURNAL

INFLUENCE

PYG ~ 伝説のニューロック〜

1970 世界はあらゆる変革期の真っただ中 音楽業界では60年代から世界中を圧巻した、当時絶対的存在だったビートルズ。70'4月1日に英国のデイリーミラー誌のインタビューでポールマッカートニーがビートルズからの脱退を表明し 事実上ビートルズの解散となった。当然日本でもその影響下のもと GS=グループサウンズ が衰退し その象徴とも言えるブームの2大バンド ザ タイガース、ザ テンプターズが70'11月にブームの終端と共に活動の終止符を発表した。当時の日本でのGSブームは世界にもフィードバックした形としてPICK UPされた。1969年3月1日、アメリカで最も歴史があり権威ある音楽雑誌、米国「ローリングストーン (Rolling Stone)」の第28号で表紙を飾った、ザ・タイガースの沢田研二と岸部シロー。 1967年創刊の「ローリングストーン」は、これまでミック・ジャガーやマイケル・ジャクソン、マドンナなど、世界にその名を轟かせる "時の人" が表紙を飾ってきたが、日本のアーティストが現れたのは彼らが最初で最後 
A Special Report From Japan: Rockin' in the land of Rising Sun
That's Julie, of Julie & the Tigers, with the mike in his hand, Work out, Julie!  (via . japan.digitaldj-network.com)

そのGSブームを牽引した 2大バンドのメインボーカルが タイガースの沢田研二 テンプターズの萩原健一  当時ではジュリーとショーケンの愛称で絶対的アイドルだった2人がそれぞれのGSグループの解散後 バックメンバーは現在の日本のロックに多大なる影響をもたらしたレジェンドプレーヤー達と2大アイドルがツインボーカルとして迎え誕生したのが伝説のバンドPYG。 すでにその当時英国では、ローリングストーンズ、レッドツエッペリン 等 ニューロックとして ハードロック、ブルースロックといったスタイルの音楽が台頭していた時代、その流れを日本でも総じてニューロックを打ち出す形となったのが、このPYG だった。 ただ、当時、硬派なロックファンからは全く受け入れられず、2大アイドルが集うことでの互いのファンが演奏中に罵り合うなど相剰効果とは逆に裏目に出て、結果、日本では受け入れられることがないまま 活動がほぼ1年ぐらいでフェードアウトしていった。 ほんの一時の活動だったため記憶にあるのは当時のロックファンのみになり まさに伝説のバンドとなった。 個人的にはPYG が奏でる音楽は今聞いても新鮮に聞こえ、どこか琴線に触れるもので ニューロック そのもの。 このような形で数々生まれては消えていった物事があるのが まさに変革期であり、賛否両論はあるにしろ人の感覚に触れるものがあり、とてつもない何かが生まれるエネルギーたるは今の現代には残念ながら感じることができない。 現在の音楽業界は過渡期とも呼ばれている中でプログレやミクスチャーロックなど様々なジャンルレスな音楽が飛び交う昨今。全く新しいものではなく、どのようなバランスで成り立つかなど、表面上のセールス中心にフォーカスされているのでないかと、個人的には感覚に触れることなく、どこか寂しさと浮遊感がしてならない。 ビンテージなものがすべて良いとは言わないが、ふとこのような立ち止まって、時代の変革期に生まれたものを振り返る時は大切なことかと切に感じる。 めまぐるしく流れる情報社会の中で その感覚さえ感じられない、考えられない、意識しないことに慣れてしまっていないかと現社会を通して思わずにいられない。その先にあるのは果たして何が残るのであろうか。
http://youtu.be/y7exkBPZ69U



  • 2015.3.21