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アリス ウォータース 「アート オブ シンプルフード」 日本語版
少し前の事だが 待ちに待った(何年も!!)本の日本語版が小学館から出ました
アリス ウォータースの「アート オブ シンプルフード」
以前から英語版と彼女の他の出版物を我がTHE SALONにも置いていたのですが今回の日本版の出版に当たりもっと幅広く皆に見ていただける様になったのは嬉しい事。
オーガニック料理のバイブルの完全日本語版 として米国版のオリジナルと同じ質感、同じ重さ、同じテーストにこだわっていて2色刷りの本文と食材の点描イラストで構成された本書は、料理の完成写真がメインの普通のレシピ本と異なりますが、色合いも盛りつけも自分のオリジナリティを発揮してほしい、という著者の考え方が表れていて、シンプルで美味しいレシピと彼女の料理哲学で構成された本書は、日本でもアメリカと同様、オーガニック・レストランには必ず置かれる料理のバイブルとなること必至。長く使い続けられるベーシックでスタンダードな料理書と銘打ってあります
以前にも「the magazine」で取り上げていた彼女の活動やフィロソフィーを記事として取り上げてきましたが 哲学のある料理ってやはり素敵だとこの本を手に取って改めて思います40年前にカリフォルニア州バークレーに世界初のオーガニック・レストラン「シェ・パニース」を開店、「地消地産」のコンセプトを生み出して、全米に「美味しい革命」を起こした料理家&食育研究を行っている彼女はニューミュージアムでも講演するなど精力的に活動しています 改めてもう一度彼女の活動を紹介したいので以前「the magazine」で載せた記事をもう一度改めて紹介します
アリス・ウォータースは、アメリカの食文化に影響を与えた重要な人物
料理人としてのアクティビストといった所だろうか
彼女の訴え続けたものはアメリカの食文化にとって革命的であると同時に世界的に影響を与える事となった
それは世界ではじめて意識的に抗生物質やホルモン無添加の肉や地元からとれる新鮮なオーガニック果物や野菜を調理に使い、その素材を十分に引き出す料理法を編み出し、ローカルネットワークで構成される地域生産地域消費の価値を訴え続け、30年以上も前からスローフードを提唱し、その概念を切り開いてきた。
その事実は世界的に注目を浴びることになる。
実際にその提唱する料理を味わうべく彼女がオーナーを勤め、1971年から開業する彼女のレストラン「Chez Panisse」に足を運んでみる。 場所はヒッピームーブメントの発祥の地やリベラルな思想を育む街として有名なカリフォルニアのバークレーにたたずみ、店内はこじんまりとして内装等は特別こった感じではなく 元々アリスの家だった木造建物に光がさんさんと入るテラス、いつも満席で活気に満ちあふれ、やや年配の人々が子どもの顔をしながら美味しそうに食事を楽しむ姿はアットホームに感じる。 実際に出される料理は「野菜ってこんなにおいしかったのか、、」と思えるほど美味しい。
その光景はアメリカでよく目にする肥満の度を超した人々が不機嫌顔でファーストフードでハンバーガーをかぶりつくというものとは全く対照的であり食を楽しむ人々が訪れる。
アリス・ウォータースがアメリカ人に基本的な「食」の大切さを教えた功績は大きく、人々のオーガニックフードの理解度は増し、スローフードという言葉が浸透し、アメリカ人の食に対しての関心は深まったことは事実。
実際、バークレー校のマーティン•ルーサーキング•ジュニア ミドルスクールで食用校庭プログラムを実践し、自ら校庭に約4000平方メートルの有機栽培農園やキッチンを作り地元の人々や生徒、親等が一緒になりコミニティーで学校給食の食材や調理を行うという食育教育に力を注いできた功績はファースト・レディー・ミッシェル・オバマにも影響を与え、ホワイトハウスの南側芝生100平方メートルをオーガニックの野菜、果物、ハーブの畑にした話は我々の記憶に新しく、この食用校庭アフィリエイトプログラム はニューオーリンズ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ノースカロライナ州グリーンズボロの学校のカリキュラムの一部として採用され広がりを見せている。
彼女は現代社会に浸透した合理化やシステム化、手軽さや便利さとは引き換えに失っていく地域コミニティーのつながりやファーストフードの台頭による健康への問題を提議し、新鮮な旬の食材を楽しむ地元の文化を愛する事や生鮮食品を準備するためのショッピングの楽しさ、家族や仲間達と食事を楽しむコミニケーションや地域社会の絆の大切さ等を説き続け、いくら有名になろうが大々的にテレビや雑誌に露出し、自分の冠キッチングッズを出す事も無く、粛々と彼女の哲学のもと料理の道を切り開いている。
その思想や哲学はただ単に「食べる」という生命維持活動に必要な事柄を越えて現代社会に置ける人間としての「食べる」という行為を再定義し社会に影響を与え続けている。
- 2017.4.04
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