THE SALON STYLE JOURNAL

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村山談話

この時期になると何かと耳にする「村山談話」
皆様、その内容をご存知ですか?

村山談話とは、1945年の終戦から50年経った1995年に当時内閣総理大臣の村山富市氏の声明で正式には、"村山内閣総理大臣談話"。
その後の歴代総理大臣にもこの談話の内容が引き継がれ、終戦70年にあたる2015年には安倍総理大臣の談話にも注目が集まったのは記憶に新しいところ。声明から20年以上経った現在でも「村山談話」が論争の争点になるのはなぜか?
今回、改めて「村山談話」を読み返してみました。

この談話の中で語られているのは、平和の尊さ、近隣諸国との信頼関係、国際協調、核廃絶など。まず、率直なところ 時の内閣総理大臣が、"過去の非を認め謝罪している"というのに驚きました。(ここ最近の政治家の方々の痛々しいニュースがあるから余計にかもしれませんが、、)
よく問題にあがるのが植民地支配など、いわゆる"歴史認識問題"ここでの表現が曖昧すぎるというもの。これが現在でも続く慰安婦問題に発展しています。詳細は、ぜひ談話を読んで頂きたいのですが、細谷雄一氏の著書『歴史認識とは何か』でも分かりやすく書かれていてお薦めです。


この時期になると、テレビや新聞などで過去の戦争関係の特集を目にする機会が増えます。しかし、どのメディアでも描かれているのは"日本目線"でのストーリー。日本にとって都合のいい歴史とまでは言いませんが、いつもどこか違和感を覚えます。そういった意味では、「村山談話」では内閣総理大臣が日本の非を認め反省し、お詫びをしている点には好感を持ちました。
内容には、様々な問題点があるかもしれませんが、歴史(物事)は語り手によって見方が大きく異なります。何を事実として受け取るか、、
現在でも地球上では紛争や宗教戦争が続いています。戦争は決して遠い国や過去の事ではなく、日本に住む私たちにも起こりうる事です。
今年で終戦から72年。戦争を知らない世代が村山談話を読んで思った事です。




村山内閣総理大臣談話
「戦後50周年の終戦記念日に当たって」
先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せる時、万感胸に迫るものがあります。 敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのための注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表すものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。 平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを二度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも。これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係に関わる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無から紙面とするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。 敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国には、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。
平成7年8月15日
村山内閣総理大臣談話

  • EMI NOBEOKA
  • 2017.8.05