THE SALON STYLE JOURNAL

INFLUENCE

新しいラグジュアリーサービス業のかたち

ラグジュアリーなサービスを目指しているサービス業ビジネスが色々変わろうとしている、今までの成功例をなぞる様なビジネスの形態や企業によるマスを相手取った投下型と言うよりもそれはスモールビジネスから始まり自由な発想と面白い事や楽しい事を追求しようという事やものに多岐にわたる商売の考え方根本が変わろうとしている気がする
始まりはシアトルのエースホテルの形から始まった。創業当初から匂いで新しいと感じた肌感覚が敏感な人は2007年時点で気づいていたはずだ、ラグジュアリーなサービスは既に限定された人のものを対象としたものではなく、マキシマムにオープンにして行くことでハイエンドなモダニズムを押してきたカウンターなサービス形態が売りだ。
ace hotelの場合、来ること自体が目的となるような場作りを目指し色々なアイデアがふんだんに盛り込まれている。
併設されたスタンプトンコーヒーショップやセレクトショップのオープニングセレモニーなど気軽に立ち寄る理由がそこにはあったり、ジーンズ姿でラフな感じの気さくなドアマンが招き入れるホテルの誰でも入れるロビーにはフリーwifiが飛んでいて、誰でもがわいわいがやがやと集まれるスペース、その調度品はヴィンテージを基調とした高級と言うよりもセンスよく集められた品のいい丁度いい感じのインテリア。
週末になるとライブやイベントが繰り返し行われ、ソーシャルな場に行くと誰かに会えると言った場を提供している。
ホテルの部屋は自分の部屋のアイデアソースになる様な感覚のドレスダウンした丁度いいリラックスしたインテリアやなにげにおかれたポラロイドカメラなどは旅の記念を収めるのに適度に行き渡ったサービスというぐあいだ。
それに追随する様にフォロワーとしてブルックリン地区にできたwhyth hotelなどもいい例なのかもしれない






レストランサービスなどに目を移すとサンフランシスコ発祥の「ミッション チャイニーズ」のアイデアなどが特に面白い。
2010年の開業以来、大人気で東部側のNYにも進出してきた店舗でも2時間待ちと言う人気ぶりそもそも、事の始めは何処にでもある町の中華レストランに週に一度だけ当時まだ創作レストランの見習いシェフだったアンソニー・ミントが300ドル/日で厨房とウェイターを借り、ポップアップレストランとして営業し、一つの店に二つの店が混在すると言う一見、訳の分からないコンセプトでスタート、そのシェフには韓国系アメリカ人のダニー・ボーウィンを起用し、今までイタリアン料理しか作った事無いシェフにアンソニーは伝統的な四川料理を彼等流にアレンジしたニューチャイニーズを提案。
中華料理にしては珍しく、地元の食材やオーガニック食材を使い、地産地消を提案しているところはさすがこの地を代表するレストラン、シェパニースのお膝元のサンフランシスコらしくベジタリアン向けのメニューも充実している。
店内はものすごくフツーの中華料理屋さんのインテリアをあえて使って(看板も前のお店のままでミッションチャイニーズとは何処にも書いて無く、知らない人は絶対に見つける事ができないのもおもしろい)いて、コンセプトやアイデアがどんどん進化して行っているのがわかる。ただ面白いとかと言うだけではなく ここで食事をすると一皿0.75ドルがサンフランシスコのフードバンクという慈善団体に寄付され、社会貢献事業にも力を入れている。



特徴は自分たちの姿勢やライフスタイルなどからかけ離れた空間ではなく、あくまでもリアルな形でおもてなす感覚が特徴で、近年のサンフランシスコのブルーボトル コーヒーから飛び火し世界中に派生したコーヒーショップブームもそうであるように、店員は腕にはがっつりタトゥーが入りおしゃれでしかも、気さくでこだわりの豆で丁寧に入れる、店内も丁度いい感じのインダストリアルな感じで収められており、その場で人がわいわいと集うような オープンな感覚にピリリとしたアイデアが盛り込まれているのが特徴でいずれにしても今という時代というものをしっかり見据えて切り取っている。
そういう形のスモールビジネスが軒を連ねるブルックリンのウィリアムズバーグ地区やポートランド、サンフランシスコのミッション地区などに見られる共通した空気感は現在、世界中でのビジネスモデルとなりつつ有るが、営利のためだけに大企業が上っ面だけすくいとりまねしようとしてもなかなか成立しずらいのがスモールビジネスな感覚だけに小回り感、空気感やフィロソフィー的なものにあるのかもしれない




  • 2017.4.04