THE SALON STYLE JOURNAL

INFLUENCE

Human Microphone 〜人々の抵抗活動

格差社会に異議を唱え民衆が立ち上がった運動「ウォール街を選挙せよ」の抗議集会で"Human Microphone" なる行動をみて実際に人々の抗議集会の意味を深く考えさせられることになった。

ナオミ•クラインの抗議スピーチに対し警察は公園や道路での拡声器禁止を条例を盾に取り逮捕者を出そうともくろんだのだが民衆は"Human Microphone"という手段でスピーチを口々に反復しエコーの様に次の人に伝え繰り返す事でより遠くの人々に伝えるという人間拡声器行動を行いメッセージをただ聞くというだけではなく反復し伝える事により共有し、一体化していったのである。

このHuman Microphone 最初に使われだしたのは電気機器や拡声器の使用が禁止された集会下の1999年のWTO(世界貿易機関)閣僚会議の反核デモが初めらしく、スピーチ前には「マイク チェック」という言葉から皆が肉声でマイクチェックを行う姿が一体感を高めていく。


今回のこの「ウォール街を選挙せよ」のHuman Microphoneでのナオミ•クライン抗議内容は「ショック・ドクトリン」への抵抗。
手短に言うならばアメリカ同時多発テロ事件(2001年)、イラク戦争(2003年)、スマトラ島沖地震 (2004年)による津波被害、ハリケーン・カトリーナ(2005年)といった、政変・戦争・災害などの危機的状態を挙げ、「惨事便乗型資本主義」(「惨事活用資本主義」、「災害資本主義」、「火事場泥棒資本主義」)はこれにつけこんで、人々がショック状態や茫然自失状態から自分を取り戻し社会・生活を復興させる前に、過激なまでの市場原理主義を導入し、経済改革や利益追求に猛進してきた事の抗議内容を含んでいました。

その後、「ウォール街を選挙せよ」の運動は継続はしているものの大半の人々はオバマ政権の雇用政策により職を取り戻し、現在は沈静化しているも結果的には社会格差が埋まったとは言いがたい。
しかしながらアメリカ国民が選挙で投じた一票はオバマ政権を選び取りアメリカに再度、中間所得者層を作り過激な市場原理主義は政府がコントロールするという方針を国民は選び取る事になった。


ちなみにこの活動家ナオミ•クラインですが
「ブランドなんかいらない」を発表し痛烈にナイキ社を搾取で巨大化する大企業の非情だと指摘し本人は「フリードマン理論に対するウォール街の崩壊」は、「独裁主義的な共産主義に対するベルリンの壁崩壊」に匹敵するとしていてケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べ、この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなしており近年の悪名高い人権侵害は実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだと主張しています

参考資料 wikipedia







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  • 2017.4.04