Gary Slutkin 〜暴力を伝染病と考える〜
ゲリー・スラトキンは感染症の専門家医師でアフリカなどで10年に渡り40の難民キャンプ、100万人の難民に対し医師6人という過酷な状況の中、伝染病と闘ってきた。
特に結核とコレラのスペシャリストでその後、WHOに採用されエイズ感染予防のスペシャリストとしてルワンダ、ブルネイなどを転地し予防医療に従事し、伝染病で死ぬ多くの死を見つめてきた。
ホームシックも伴い心身ともに疲れ、生まれ故郷である帰ってきたアメリカでゲリー・スラトキンは多くの地域で暴力が蔓延している現実を目にすることになる。
それは、銃による暴力事件の多発と驚いた事に多くの地域が当たり前の様に暴力を受け入れている事に直面し、何気なく自分の専門分野である伝染病として暴力を捉えて考え、先行する暴力が次の暴力を生み出す、ギャングの抗争や集団暴力、極端な例は虐殺などが結核などの発生伝播と似ている事に着目し、データーをまとめてみるとナント、その拡大パターンが伝染病と同じであると突き止めます。
暴力を伝染病として捉えたゲリー・スラトキンは伝染病の治療の様に発生源を特定し、スペシャリストを送り込み、暴力発生者にソーシャルワーカーをつけ、伝播する前に暴力発生者との人々の関わりを断ち切る対策を敷く、それを取り巻く標準の環境を整える、暴力阻止教育を地域で行うといった、伝染病の措置対策の手法を取り入れた実験をシカゴで行った結果、67%の暴力問題が低下し70%の発砲件数が減少し、今、注目され始めています
暴力を病と捉え社会的な治療により阻止できるという発見を行った新しい視点は注目に値する研究者ではないのではないでしょうか。